SMC技術者紹介

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SMC技術者紹介
ノウハウ生かし
世界の開発拠点を
結ぶ役割を

開発第2部

脇 和文 係長

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省エア増圧弁「VBA-X3145」は、駆動源として使うエアー(圧縮空気)の圧力を高めて各種機器で効率的に利用できるようにする増圧弁の新型。昨今の脱炭素化に対応し、増圧時に使用する空気量を40%削減した。SMC開発第2部の脇 和文係長は、省エア増圧弁の開発に携わっている。自身の海外勤務経験を生かし海外拠点との共同開発を可能にする体制づくりを目指す。

振動工学を研究した学生時代

父親が電気系の仕事をしていた関係で自宅に工具箱があり、捨ててあった時計を分解したり、自転車のさび落としに夢中になったりしていました。運動は中学生までは軟式野球、高校では弓道を部活でやっていました。弓道は経験者が少なそうな部活に入りたいので選びましたが、道具をそろえるのは大変でした。理系の道に進みましたが、数学が苦手だったので苦労しました。大学は機械システム工学科を専攻し、振動工学などを研究しました。ただ、一番打ち込んだのはアルバイトです。ファミリーレストランでのウエーターや、宅配すしの配達人をやりしました。振動工学の研究室は少人数でおおらかな雰囲気でした。企業との共同研究でディスクブレーキの鳴き(接触振動による異音)をシミュレーションで再現するという作業を担当しました。フォートランというプログラム言語を使いパソコン上で接触振動のモデルをつくります。前任から研究を引き継いだときは内容が充分に理解できず、手探りで考えながら計算モデルを作成しました。鳴きは部品同士の共振で大きくなります。さまざまな条件がありパラメーターを調整するときに、苦労しました。シミュレーションはパソコン上での計算なのですぐに結果を出すことが出来ます。プログラムを変更し、結果を出して再調整するという作業を繰り返していました。学生時代の経験は、仕事に確実に生きています。SMCが手がけるシリンダーやアクチュエーター(駆動装置)は流体力学を主に活用します。流体解析にはプログラムが必要ですし、シミュレーションの知識を持っていることは有利です。磁力解析や材料選定、振動も関わるのでシミュレーション技術は重要です。

海外経験が学びに
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SMCは就職活動シーズンになって初めて知りました。事業内容が面白そうなことと、シェア首位ということに惹かれました。自動車、電機、半導体、食品産業など幅広い分野で製品が使われていることも志望した理由です。配属はシリンダーの開発を担う開発2部でした。途中、ドイツの現地法人に3年、中国に半年所属しました。ドイツの現地法人はフランクフルト近郊に位置します。2010年ごろに行きました。図面はドイツ語で書かれており現地の技術者に指示を出しながら開発を進めます。国や文化が異なる人とのコミュニケーションや部署ごとの責任範囲を尊重する組織の在り方などの違いが学びになりました。仕事においては、やはりコミュニケーションと人のネットワークが重要と実感しました。日本に戻ってからも多くの製品を開発してきました。その中で海外経験は役に立っています。現在は、省エア増圧弁「VBAシリーズ」の開発を担当しています。増圧弁は空気を使って空気圧力を高める機器です。増圧弁作動に使用する圧縮空気は省エネのためには極力減らさないといけません。VBA-X3145は省エアを実現するため排気を再利用するというアイデアを試作機で確認し、さらにそのアイデアを製品へ実現化するところに醍醐味がありました。省エアを実現するためのコア技術は、増圧弁作動に使った空気を再度活用する「排気リターン」です。ほかにも、増圧弁の作動を切り換える機構、寿命を延長する技術も重要でした。こうした機構が安定して作動するよう信頼性を高める作業は難しいですが、開発は面白いことの連続でした。開発スケジュールはタイトですが、新しい発見があると新鮮な驚きを感じます。

海外拠点との共同開発を目指す

今後も開発業務を続けたいです。SMCは世界中に拠点があり、事業継続計画(BCP)対応のために24時間、どこかの拠点が開発を続けるような体制づくりを進めています。私は海外経験のノウハウを生かして世界中の開発拠点が連携して開発していく仕組みを築き上げる仕事に貢献したいと思っています。製品開発では、IoT(モノのインターネット)の技術が必須になりつつあります。私は「助けて」と言われたら断れない性格で、接しやすさが自分の強みだと思っています。IoTの専門部署と、持ち前のコミュニケーション力を生かして連携を進めたいと考えています。SMCは幅広い製品群を持ち、いろいろな産業分野の顧客を抱えています。文化や規格が異なる海外の顧客が多いことも刺激になりますし、そのような多種多様なユーザーへ、ニーズに応じた製品を作ることに楽しさを感じています。今後もユーザーに満足いただける製品を世に出せるよう頑張っていきたいと思います。

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