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ワークを把持する方法としての真空吸着システムには、以下のような特長があります。 !構造が簡単。 !吸着可能な面があれば対応可能。 !正確な位置決めは不要。 !柔らかい、変形し易いワークにも容易に対応可能。 ただし、以下については注意が必要です。 !ワークを吸着して搬送するため、条件によっては落下する可能性がある。 !ワークの周囲にある液体や異物も吸込まれることがある。 !大きな把持力を得るには、大きな吸着面積が必要。 !真空パッド(ゴム)の劣化に対する注意が必要。 上記特長を十分に理解し、使用条件に応じた対策をお願いします。 ●真空パッドの選定手順 1)ワークのバランスを十分に考慮し、吸着位置とパッドの個数および使用可能なパッドの径(またはパッドの面積)を明確にし ます。 2)明確にした吸着面積(パッドの面積×個数)と真空圧力から理論リフト力を求め、実際の吊り上げ方法や移動条件による安全 率を考慮したリフト力を求めます。 3)ワークの質量とリフト力を比較し、リフト力>ワーク質量であるために必要かつ十分なパッド径(パッド面積)を決定します。 4)使用環境やワークの形状・材質から、パッドの形状と材質、バッファの有無を決定します。 上記手順は、一般的な真空パッドにおける選定手順を示していますので、すべてに適用されるものではありません。最終的には、 お客様の責任においてテストを行い、その結果に基づいて吸着条件、使用パッドを決定してください。 ●真空パッド選定の際のポイント A.理論リフト力 !理論リフト力は、真空圧力と真空パッドの接触面積で決まります。 !理論リフト力は静的条件における数値ですので、実際に使用する場合は使用状態に応じた安全率を見込む必要があります。 !真空圧力は、「高いほど良い」ということではありません。真空圧力が高いと逆に不都合が生ずる場合があります。 ・真空圧力を必要以上に高くすると、パッドの磨耗量の増加や亀裂の発生が起こりやすくなり、パッドの寿命が短くなります。  真空圧力を2倍にすると理論リフト力も2倍になりますが、パッド径を2倍にすると理論リフト力は4倍になります。 ・真空圧力(設定圧力)が高いと、応答時間が長くなるだけでなく、真空発生に必要なエネルギーも増大します。 例)理論リフト力=圧力×面積 パッド径 面積(cm2) 真空圧力 [−40kPa] 真空圧力 [−80kPa] o20 o40 3.14 12.56 理論リフト力 12N 理論リフト力 50N 理論リフト力 25N 理論リフト力 100N 4倍 2倍 1 真空吸着方式の特長 2 真空パッドの選定方法 機種選定方法 878